世界は周り、始発点と終着点を結ぶ。



きみは惑星





ふと思い出した。
頭の中にごまんとある過去の出来事を思い出すって事は不思議な事だ。さながら洪水の中でもみくちゃにされる木の葉を捜す…果てないものに思えるからだ。そうやって探し当てた懐かしい思い出に、途端に胸が温かく感じた。

「手を繋いでいい…?」

初めて異性と付き合うってなって、そしてその人と学校の帰り道を共にした思い出。その人は忙しくてこうやって一緒に帰るというのがその時の私たちのデートのようなもので、それなのにお互い緊張しているせいかいつも言葉少なくただ家路をのらりくらりと歩いた。どこからともなく夕飯の匂いが漂って、夕日が少し傾きかけていた。歩調は至極ゆったりとしていて、でもそれに反して二人の間に漂う雰囲気は緊張感を伴う沈黙が流れていた。
当時、好きな人に好きだと伝えるのがこの世で一番恥ずかしい事だと思っていた。そんな極度の恥ずかしがり屋の私に彼氏が出来たのは正に奇蹟の様で、これから先の全ての幸運を使い果たした。なんて思っていたりもした。

秋が深まり夕暮れは微かに冬を予感させる風が吹くけれど、私の掌は緊張でじっとりと汗で濡れていた。何か話そうと口を開きかけて、緊張のせいで喉が震えて、そして頭の中が真っ白になって結局噤みこんだ。――そうやって一緒に帰れる時間が嬉しい反面、悲しくて。こんな複雑な気持ち彼は解ってくれているのか。茫洋として見えた彼の背中が憎かった。



*



大人になれば嗜好が変わる。
その言葉は正にしかりで、こうやってバールでブラックコーヒーに口をつけている姿を数年前だったら想像だに出来ないと思う。――冷めないようにもと思いつつゆっくりコーヒーに口をつける。白いカップの淵には出掛ける前につけたベージュ系のリップが淡くつく。今では落ち着いた色合いを好むけど、一昔前、ほんの少し前まで華やかな可愛らしい色を好んだ。服でもリップでも、何でも。

それはとてもかわいい友人の影響だった。
言動も仕草も服装も。すべて愛らしくて色で譬えるなら淡いピンクの様な人だ。そんな彼女に出会ったのが大学入学当初。退屈な入学オリエンテーションをぼんやりと過ごしていると、ピンクの指で肩をちょんと突かれた。振り向けばそこには愛らしい彼女がいた。胸元にリボンをあしらった白のスプリングセーターを着て、膝上のフレアスカートを纏う彼女は、一瞬天使かと思ってしまうほど愛らしく微笑んでいた。「はじめまして」甘めの高い声で挨拶をされた。青天の霹靂…なんて大仰だけど、けど私の人生に多大な影響をもたらした人と出会った。

主体性に欠けるきらいがある私は、その友人を真似て似合わない可愛らしい服で決め込んで大学時代の前半をそう過ごした。リップもネールもチークもピンク。服も淡い色のもの。香水もとにかく甘くて、にっこり笑って、そうやって出来たたくさんの友人と過ごした。

微かに違和感を感じながらも、「かわいい」と褒められるとそんな違和感なんて忘れて、愛想よく笑顔を振りまいていた。



*



「合コン?」

昼休みにトイレで化粧直しをしているとその天使の友人から合コン行かない?と尋ねられた。今まで合コンの誘いを受けた事はあるけど、その友人からおよそ合コンなんて言葉を聞くなんて思っても居なかったら驚いてリップのフタを落してしまった。

「合コンってあの合コン?」
「あの合コン以外に何があるの?」

そうだねと苦笑いしながら落ちてしまったフタを水で洗った。

「まさか幹事をするなんてってビックリしたの」

そう私たちは誘われる事はあっても、誘う立場ではないのだ。受身体質なのはよく似ていて何かを仕切ったり幹事をするよか、流れに乗ってお世話になるのが当たり前だと思っていた。

「…バイト先の人にしつこく言われて。仕方なくって感じなの。相手も2人って言ってたし、こんな事頼めるのしか居なくて…ダメかな?」

そんな風に言われちゃ断るわけにもいかず、二つ返事で承諾した。



*



ぼんやり物思いに耽りながらコーヒーを飲んでいたらいつの間にか空になっていた。ふうと溜息をついてカップをソーサーに戻す。また深く息を吸うとバールだけに辺りに漂うコーヒーのいい香りが胸の中に広がる。雑踏とは程遠い表の通りを窓越しに眺めていると、まるで時間が遡っていくような不思議な感覚を覚えた。――そんな事ないのに。と口の中で呟いてみたけれど、このコーヒーの香ばしさや温かみのある木目調の店内で過ごしていると、直ぐそこに過去があるように思えてならない。――過去の自分が目の前でコーヒーの苦さに顔をしかめながら腰掛けている、そんな錯覚。ふふ、とそんなおかしさをかみ締めているとかばんの中で携帯のバイブが反応した。それを合図に伝票を持ってレジに向かった。精算を済ましてからレストルームに向かう。取れかけたリップを塗りなおして、香水をつけようと髪をサイドに寄せた。手首にシュッと一振りかけてそれを首筋にこすりつける。前のようなただただ甘い香水ではない、どこか複雑なでもしっとりと柔らかい香りが広がる。
手ぐしで髪を整えて、オーソドックスなジャケットを羽織る。長身な彼になるだけ合わせようとシャープな物を着るようにしている。それは彼のためというだけではなくて、こういったシンプルなスタイルが自分もしっくりするのだ。最後にもう一度鏡の前でチェックをして、レストルームを出た。

携帯には彼からのメールが着ていて、あと数分で待ち合わせ場所に着くと書いてあった。いつものことだけど彼の文面はシンプルだ。絵文字や顔文字なんて彼の文面には中々出てこない。下手したら句読点すらない時だってある。――初めの頃はひどくそっけなくて、もしかして嫌われているのかしら。なんて気をもんだけれど、いまではその仏頂面の文面を眺めるだけで、彼が側にいるような安堵感さえ感じる。――だって本当に仏頂面なんだもの。釣り目で意志の強そうな眉。固く噤んだ口元。それはあの当時から変わることなく、最早彼のチャームポイントとさえ言ってしまってもいいんじゃないかって思う。

携帯をカバンにしまおうとした時不意によろめいて通行人にぶつかりそうになった。ぎりぎりのところでぶつかりはしなかったけど、その人と目があってしまって恥ずかしさを誤魔化すように会釈をした。その人も驚いた様子ながらも会釈を返してくれた。その人の傍らに彼女らしき人が居て、彼らの間には強く握られた手と手があった。



*



その誘われた合コンは最悪の一言だった。
何がどう酷いという次元ではなく、最悪だった。まず友達を誘った男の人のあからさまな視線で居心地が悪かったし、その人のつれも何だか嫌だった。――嫌がってた理由がわかったよ。電車から降りてホームに出ると息が白くなっていた。どうりで寒いはずだ。膝上のスカートでは寒いはずだ。むき出しになっている膝は寒さのせいであかくなっていてギシギシと軋みを感じる。――何を勘違いしたか彼らは私と友達にやたらスキンシップをはかってきた。カラオケボックスという密室のせいか気を大きくして、この膝を嘗め回すように撫でて、そして肩を強引に抱いてきた。…思い出すだけで鳥肌が立つ。
この格好をするようになってから、男ウケがよくなったのは事実。けど時々「かわいい」と言葉に下心が見え隠れして、正直嫌になることもある。男の人全員が全員っていうわけではないけど、あからさまな人もいるのも事実だ。――それにしても今日は最悪だった。ギリギリの所で友達と逃げ出すように店を出てきた。あれ以上あの場に留まっていたら…なんて考えると鳥肌が立つ…なんて言葉だけでは軽すぎる。とにかく気持ち悪くて悔しくて腹が立つ。

改札を出ると夜中のせいか人通りがめっきり少ない。さっきの厭らしい目線を思い出すと、歩いて家に帰るのが恐くなってタクシーで帰ることにした。タクシー乗り場に行くまでのほんの少しの距離が、恐く感じた。あらためてあの合コンが厭わしかったのだなと納得すると同時に、なんだか涙が零れそうになった。気持ち走り気味でタクシー乗り場に向かうと、前に一人男の人がタクシーを待っていた。金曜の夜中。まさにタクシーの書き入れ時。ちょうどタクシーと言うタクシーがはけていて、しばらく待たなきゃいけない状況。そんな時、つい数時間前に男の人に嫌な事をされたのに、近くに男の人がいるだなんて…!勿論その人に何かされるだなんて思っても居ないし、その人がさっきの合コンメンバーではないのはわかっているけれど、どうにも感情と現実の整理がつかない。

泣き出しそうになるのを堪えて、気持ちを紛らわすために携帯をとりだした。待ちうけは、間抜けなくまが寝そべっていて、落ち着くどころか神経を逆立てる効果が抜群だ。…とりあえず友達に大丈夫かってメールを打っておこう。あの子は見た目の通り傷つきやすいから、きっと自己嫌悪とあの人たちへの嫌悪感で泣き出しているかもしれない。

メールを打っている最中も中々タクシーが来なくて、早く来て欲しい思いと、一台だけ来て私一人取り残されるのは恐いという気持ちが入り混じる。――恐怖感で携帯を閉じる事ができない。中々こないタクシーに苛立ち、誰でもいいからメールでも電話でも欲しいという腹立たしさ。とにかく携帯を持っていてば万が一の時に……。恐怖感はありもしない悪い方へと考えをいざなう。寒さだけではない震えで携帯の光が揺れる。

――ああお願い、神さまでも誰でもいいから――……っ!

その時、私の後ろにもう一人並んだ。そしてややあって「あれ?」という言葉が聞こえた。恐る恐る振り返るとそこには懐かしい人が居た。

「あれやっぱりだ」

彼は驚いた様子で、そして見る見るうちに微笑んだ。そのつり目勝ちな目じりがゆるゆると下がって柔和な顔立ちになった。

「久しぶりだな」

かれこれ4,5年振りの再会だっけ。
真田くん久しぶりだねと言おうと思ったのに、言葉が出なかった。背高くなったねとか、サッカー選手になったんだってねとか。頭の中は一瞬にして色んな言葉がはじけたのに、どの言葉も言う事はできなかった。

「おい…!」

薄暗い中でも彼のギョッとした様子があざやかだった。……でもそれ以上に乏しい外灯がきらきらとまるで鮮やかな万華鏡のように眩しいのはなぜだろう。

タクシーが一台来て前の男の人が乗車した。
それを皮切りに私はおお泣きし始めた……

突然泣き出されて彼は戸惑ったように前後左右辺りを見回す。

「だ、誰かに何かされたのか…?」

――誰かに何かされた。
ああそうだよ、未遂だけどされかかったよ。
その言葉を肯定するように彼のジャケットを掴んだ。近づくとふわりと男性用の香水が微かに香る。堰を切った感情を柔らかく包むような。そんな優しい匂いだった。

その優しい香りと人の温かさを感じて、傷ついた心に沁みて涙腺は留まることなく涙を零し続ける。彼はしばらくおろおろと戸惑いを見せていたけど、やがてポンと温かい手で頭を撫でてくれた。

「どうした?…一先ずここは寒いからどこかに行こう?」

…こんな泣いて酷い顔を見せるのは嫌だと首を振ったけど、彼は苦笑いを浮かべて「行こう」と優しく諭した。そしてその大きな温かい手にひかれて深夜まで開いているファミレスに入った。ぼやける視界でもわかるぐらいにひと気が少なくて安堵する気持ちと、久しぶりに会った元カレにこんな酷い顔をさらしているのが恥ずかしくてたまらなかった。対面テーブルに腰掛けるとますます顔を見せるのが恥ずかしくて、俯いたままでいると彼は店員さんに何かをオーダーしたみたいで、そして済んだらしく席を立った。――ほっとする気持ちと寂しさでまた無性になきたくなったけど、そこはぐっと堪えて、まず今どんなに自分が酷い状態なのか。手鏡をカバンから取り出してそっと隠しながら窺った。――思ったよりかは酷くは無いけど眼が赤く充血して、鼻先が赤くなっていて、どこからどうみても泣いてましたといわんばかり。情けない姿を見て、また泣き出しそうになる。惨めな気分が数時間前の嫌な出来事を蘇らせる。
…誘いに乗ったのがバカだった。

自分でいうのもなんだけど、見た目に反して私は男性経験が乏しい。多分同い年の子に比べたら貧相としか言いようが無いほどだ。けれどそんな少なさを知られたくないという見得があって、こうやって華やかな外見を繕っているし、飲み会にもよく顔を出す。――それがこんな結果だ。未遂とはいえ経験が乏しい私にはかなりの衝撃だ。あんなあからさま過ぎる視線が、気持ち悪い。思い出すだけで鳥肌が立つ。

「ほら」

目の前のテーブルにあの安っぽい白いカップが置かれた。見上げると彼は困ったように眉をひそめてコーヒーだと決まり悪そうに呟いた。

「コーヒー…」
「温かい甘いものがいいんだろうけど、今ホットココアが切れてるみたいで…」

ドリンクバーをオーダーしていたんだ。そっと触れたカップが熱くて、じわりと冷えた指先に沁みこむ。

「コーヒー…苦手か?」

正直苦手だ。そして見る限りブラックの様子。尚のこと苦手。スティックシュガーとかあったら飲めるのに。――けれど彼の好意を無碍にするわけにもいかず、飲めるよなんて見栄を張って口をつけた。香ってくるのはあまり飲まない私でもわかるぐらい安っぽいコーヒーの匂い。でも一口くちをつけると、不思議とあの独特の苦味が嫌だとは感じない。

不思議だった。

美味しいわけでもないのに、まずくない。
温かい液体が喉を通って、そしてその熱が身体全体に響く。――そんな感覚。
冷えて青く染まった心が、ほぐれて行く……なんて言い過ぎだけど、ほっと安堵の溜息が零れる。ぐちゃぐちゃと嫌な出来事が渦巻いていた頭も、コーヒーの温かさでゆっくりと薄まっていくよう。
それを見越してか、彼はゆっくり口火を切った。

「…さっき久しぶりにを見かけて声をかけたら泣いて、正直驚いた」

本当に正直だななんて可笑しく思えるほど、私の心は落ち着いてきた。

「ごめんね、迷惑かけて」
「いいや、別に迷惑なんて思ってないから」
「…てっきり千葉に居るのだと思ってた」
「今オフで、あんまり実家に顔見せてなかったから帰って着たんだ」

そっか。とそっけない言葉を呟いたけど、あの場所で彼に出会っていなければ取り乱したまま、恐怖に怯えていたと思うと、そんな偶然が奇蹟のようにありがたく思えた。

「……変わったな。最初誰だかちょっとわからなかった」
「真田くんも、変わったね…てもう4,5年ぶりだから当たり前だよね」

中学卒業とともに私と真田くんの関係は終わった。お互い別々の高校に進学するのと、嫌いで終わったわけではないけど、どちらかというわけでもなく自然と終わった。…ときめきも、嬉しさも、悲しさも、切なさも。いっぱい過ごした時間にあったはずなのに、“終わるのが当たり前”のように終わった。終わるその時、不思議と悲しさはなかった。

「…彼氏か?」
「彼氏?」
「さっき泣いてた理由…」

違うと首をふった。
嫌な出来事を口に出来るほど冷静にはなれてはいなくて、そして泣いてた理由を彼に言うのも憚れた。――彼は、真田くんはあの頃の、手を繋ぐ事に照れを感じていた頃のままの瞳をしている。綺麗にまっすぐな瞳をしている。…実際にはあの頃のままでいられるわけないけど、でもあの頃と変わらず、照れ屋のくせに人の目を良くみる。だから心の中の汚い部分を見られてる、そんな居心地の悪い思いがした。――けれど、と心が囁く。きっと囁いたのは、あの頃の“手を繋ぐ事がどの教科でオール100点を取る”事以上に難しいと思っていた、あの時の自分。…まだ私は大人だけど、子どもで。だからまだ純粋だと信じたいんだ。そんな信じたい自分が、囁く。

「真田くん…」
「ん?」
「今の、今の私、どう変わった?」

彼は暫く考え込んだ様子で黙り込んだ。その沈黙が針の筵のようだ。
そしてやがて彼は口を開いた。
コーヒーは少し冷めたけど、でも冷えていた指はあたたかくなっていた。

「…見た目は華やかになったけど、瞳は変わってない…と思う」

そう言って彼は頬を染めて、照れ隠しのようにコーヒーをすすった。



*



「おまたせ一馬」

待ち合わせ場所にはすでに彼が居て、そしてぼんやりと辺りを眺めていた。――彼としてはぼんやりと眺めているだけなんだけど、そのつり目のせいか知らない人には睨まれているように見えてしまうんだ。…勿論そんなこと彼には言えないけど。案外傷つきやすい性質だし。

「今日はどこ行く?」

久しぶりのデートだ。いつもは人ごみを歩くのに辟易するけど、でも自然と足取りが軽快になる。――こんな瞬間があるから恋はやめられない。ふふと頬を綻ばせると、つと彼の視線を感じた。からかうように片眉を上げる。

「…ニタニタして気色悪いぞ」

……前言撤回。
なんて可愛げのない奴だ。まあ大の男に可愛げなんて求めちゃいないけど、久しぶりのデートなんだから浮かれるに決まってるだろ。

「ほんと、口を開けば可愛げがない奴」
「男に可愛げなんてキモいだろ」
「なぁんでそんな憎まれ口しか言えないかなぁ」

あの時は、あんなに優しい言葉をくれたのに。
ふと悪戯心が湧き出て、またふふと笑いが零れた。
――恥ずかしがり屋の彼は、人前では絶対にしない。
どこまで照れ屋なんだと笑ってしまう。けど、そんなところが愛しい。
そして私は彼のその大きな手を奪うように繋いだ。指の一本一本、絡ませるようにしっかりと。そうしたら案の定彼は、一瞬にして赤く染まってその目を大きく見開いた。

「かぁわいぃ一馬」

つと思い出が浮かぶ。
手を繋いでいい?と速過ぎて止まりそうになる鼓動を感じながら、あの沈黙を破った帰り道。彼は弾かれたように驚いて、そしてその目を大きく見開いた。そして静かにそっと手を差し出した。 恐る恐る触れた手は温かくて、一瞬ためらいを感じて離そうとすると、今度は彼から触れてきた。驚いて彼の顔を見上げると、夕日に染まる以外に頬が赤くなっていた…のだと思う。――あんなに辛かった沈黙が、手を繋いだ瞬間から何も言わなくて良い優しい穏やかな時間に、魔法がかったかに変わった。繋ぐとはいえないそっと触れ合うだけの手と手をあわせて、幼かった私たちはゆっくりと家路についた。

好きな人と手を繋ぐ。

それだけで世界は変わる。
少なくとも私と彼は、
手を繋ぐ事から始まった。







title/LOVEBIRD