真っ暗な世界にぽっかり浮かんだ、まん丸満月。 彼女は小さな手の先を赤らめて、そして至極嬉しそうにホットのミルクティーの缶を握り締めて、そして時折口をつけた。小さな小さな安堵のため息をついて、そして満月を見上げる。 「一馬?」 彼女は不思議そうに、首をかしげた。首に巻かれた真っ白なマフラーに少し顔が埋まって、寒さのせいか、赤くなった頬が強調されている。 「なんでもない」 そういうと、彼女はそう?と不思議そうに微笑んだ。 「寒いね」 「うん、寒いな…」 だけど、なんだか温かい気もするよ? 彼女はにっこり笑みを浮かべて、ミルクティを一口。 俺もつられるように、ホットレモンを一口。 楽しいね。 温かいね。 …何だか真夜中に、家から抜け出すって ドキドキするね**+* back 拍手お礼、一馬ver |